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斎藤美奈子『名作うしろ読み』(2013)を読んだ

最近は時事評論での活躍が目覚ましいようだけど、やっぱり彼女の本業は文芸評論!

斎藤美奈子『名作うしろ読み』を読んだ。

名作うしろ読み (中公文庫)

名作うしろ読み (中公文庫)

 

名作は”お尻”を知っても面白い!「神に栄えあれ」「下痢はとうとう止まらず、汽車に乗ってからも続いていた」――さて、この二つの文章は何という作品のラストでしょう?『雪国』『ゼロの焦点』から『赤毛のアン』まで、古今東西の名作132冊を最後の一文から読み解く、丸わかり文学案内。文豪たちの意外なエンディングのセンスをご覧あれ。

ということで、名作の「ラスト一文」を紹介する、ちょっと変わった文学案内だ。

昔から評論という分野が好きで、斎藤美奈子の本はその信頼性*1と語り口の面白さから全部読んでいたのだが、「最後を知ってしまっては面白さが半減してしまうのでは・・・」という強い思い込みがあって、この本を手に取るのには少し時間がかかった。

私たちはシェークスピアハムレット』 の最後でハムレットが死ぬことを知っている。夏目漱石坊っちゃん』のラストで坊っちゃんが四国を去ることも知っている。知っていても、『ハムレット』や『坊っちゃん』の魅力が減るなんてことはあり得ない。きのうきょう出た新刊書じゃないのである。やや強引に定義し直せば、人々がある程度内容を共有している作品、「お尻」を出しても問題のない作品が「古典」であり「名作」なのだ。

今読んでいる『『資本論』も読む (幻冬舎文庫)』で宮沢章夫も言っていたが、「読むこと」と「理解すること」は違うのだな。

通して読んでみたが、いわゆる名作の最後は意外にしまりのないものが多いことに気づく。

紹介されている132の作品うち、恥ずかしながら両手に足りないくらいしか読んでいない。

これからひとつずつ読んでみようかな。

結局のところ、「本の話は「既読の人」同士でしたほうが絶対おもしろい」のだから。

*1:先に挙げた朝倉かすみを知ったのも、彼女がきっかけだった。